この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(PC-9800シリーズ版) → この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(2017年PS4/PS Vitaフルリメイク)
『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(PC-9800シリーズ版)』と『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(2017年PS4/PS Vitaフルリメイク)』の比較では、絵が新しくなったことだけでなく、画面上のどこをどう調べるかが重要です。PC-9800版は画面内を自由にカーソル移動して選ぶ方式でしたが、2017年版では開発者インタビューで、対象を絞って選択するプルーフターゲット方式へ変えたと説明されています。一方、分岐を地図に記録し、宝玉を使って既知の地点へ戻るA.D.M.S.の考え方は公式システム紹介でも確認できます。物語の枝を読み解く仕組みと、日々のクリック・選択の手順を分けて評価します。
2017年版の大きな設計変更は、A.D.M.S.を捨てたことではなく、分岐を管理する骨格を保ちながら、場面内の調査入力をプルーフターゲット方式へ整理した点です。自由に画面を探る原作の手触りを重視するならPC-9800版、再描画されたビジュアルと対象選択式の操作で物語を追うならPS4/PS Vita版が向きます。
目次
確認したい差分へ移動できます
比較する版と系譜
比較する各版の位置づけを整理
1996年12月26日|エルフからNEC PC-9800シリーズ向けに発売された原作。A.D.M.S.、リフレクターデバイス、宝玉を軸に並列世界と分岐を扱う。
2017年3月16日|PlayStation 4/PlayStation Vita向けフルリメイク。公式製品情報では、初回生産分の特典としてPC-9800シリーズ版を同機種上で遊べるDLCも案内された。
対象外の版|1997年のセガサターン版、2019年のNintendo Switch版は本稿の直接比較に含めない。版ごとの仕様を混ぜないため、機種と発売時点を明示する。
この比較から見えること
項目を並べるだけでなく、変更の意味を独自に整理
比較の基準はPC-9800版と2017年リメイク
YU-NOは複数の機種で展開されているため、版をぼかすと画面やシステムの差を正確に語れません。ここでは1996年12月26日のNEC PC-9800シリーズ版と、2017年3月16日発売のPlayStation 4/PlayStation Vita版を並べます。公式製品情報は2017年版をフルリメイクとして扱い、初回生産特典としてPC-9800版を遊べるDLCも告知しました。単なる同名作品の再発売ではなく、旧版と新しい再構成版の両方が意識された企画です。
A.D.M.S.は分岐を「地図にして再訪する」仕組み
公式システム説明によると、A.D.M.S.は物語の分岐をマップ状に表示し、現在地や通過した道筋を視覚化します。リフレクターデバイスに宝玉を使って地点を記憶し、必要なアイテムを別ルートで得てから戻る、という往復がシステムの中心です。したがってYU-NOの面白さは、選択肢の数だけでなく、複数の時間線をひとつの探索図として扱う点にあります。2017年版を評価するときも、現代的な見た目だけでなく、この再訪の思考を損なわず伝えているかが重要です。
画面を自由に探す操作から対象選択式へ
2016年のプロデューサーインタビューでは、PC版とセガサターン版は画面全体を自由にカーソル移動して調べる方式だったのに対し、リメイクでは「プルーフターゲットシステム」へ変更したと説明されています。これは背景を無差別にクリックする感覚から、反応する対象を選び分ける手順への転換です。場面の探索を直感に任せたい旧版と、候補を明確にして進行の見通しを整える2017年版では、同じ会話・調査型ADVでもプレイヤーの視線の動かし方が異なります。
コマンドの意味を保ちつつ、入力の迷いを減らす
2017年版の公式システムページは、「見る」「話す」などの行動アイコンを選び、人物や物を調べたり、移動したりする構成を案内しています。大切なのは、探索を単純な選択肢リストへ置き換えたのではなく、画面上の対象と行動の組み合わせで進めることです。旧版ではカーソル操作そのものが探索の一部でしたが、新版では対象選択と行動の意味が視覚的に整理されます。慣れたプレイヤーには操作の変化として、初見には何を調べられるかの把握しやすさとして表れます。
現代的な表示へ変わっても、分岐を読む負荷は残る
A.D.M.S.は過去へ戻るだけの便利機能ではなく、ある地点で得た知識や道具を別の分岐へ持ち込む計画装置です。公式説明も、宝玉を使った地点へ戻り、別の場所で必要なアイテムを入手して再挑戦する流れを例示しています。そのため2017年版で画面や入力が整っても、プレイヤーが複数の道筋を比較し、どこへ戻るか考える負荷は物語の面白さとして残ります。攻略の手間をすべてなくすことが改善なのではなく、複雑な構造を理解できる手掛かりをどう提示するかが比較の焦点です。
音の比較ではFM音源とリメイク曲を分ける
公式製品ページは、限定版のサウンドトラックに1996年PC-9800版のFM音源と、フルリメイクに際して作られたアレンジ楽曲の両方を収録すると説明しています。これはゲーム本編の設定項目を示す資料とは分けて扱う必要がありますが、旧音源と新規アレンジを意識した企画であることは読み取れます。旧版の音色は当時のPC環境と結び付いた記憶を喚起し、リメイク曲は新しい画面と声の演出を支えます。音源の全曲切替が本編でできるとは断定せず、確認できる商品仕様の範囲に絞りました。
「初回特典のPC-98版」と本編リメイクは別に数える
2017年版の公式ページには、初回生産分の特典としてPC-9800シリーズ版をPS4またはPS Vitaで遊べるDLCカードが記載されています。これはリメイク本編に旧版の全仕様を混ぜたという意味ではなく、同じパッケージ企画に別の版を添えたものです。したがって「2017年版に原作要素がある」という説明をするときは、どの機能がリメイク本編の継承で、どれが初回特典の別収録なのかを区別する必要があります。版の境界を明記すること自体が、この作品の比較では重要です。
結論:物語の分岐は継承、場面入力は再設計
PC-9800版から2017年リメイクへの変化は、A.D.M.S.を含む並列世界の探索を残しながら、画面内を自由に探す入力を対象選択式へ組み直したところに見えます。旧版を選ぶと、当時のカーソル探索とPC-98音源を含む原型を基準にできます。2017年版は新しい画面・音声の演出と対象選択によって、複雑な物語へ入る入口を整えています。内容を一括して「忠実」「簡略」と決めるより、分岐管理は継承、調査の手つきは再設計と分けて評価するのが適切です。
公開資料画像|8点
画像の版と出典を分けて表示

出典ページに掲載された公開資料の参考画像を8点整理しています。原作側・後発版側の同一場面を保証するペア画像ではなく、同一機種・同一撮影条件の画質テストでもありません。版の対応や変更点は、本文と各出典ページを優先して確認してください。
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO|資料画像 1〜4
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(2017)|資料画像 5〜8
仕様比較|18項目
各版の違いを項目ごとに一覧で確認
比較表では各版の仕様を並べ、プレイ体験に関わる違いを本文で解説しています。項目の前提や例外は、あわせて掲載した参照先もご確認ください。
スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。
| 比較項目 | 原作側 | 後発版側 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 発売日と対象機種 | 1996年12月26日、NEC PC-9800シリーズ | 2017年3月16日、PlayStation 4/PlayStation Vita | 約20年後のフルリメイク |
| 開発・販売の版 | エルフが制作したPC-98作品 | 5pb./MAGES.のPS4・PS Vita版 | 制作体制とハードが刷新 |
| ジャンル | 並列世界を扱うSFアドベンチャー | 公式もSFアドベンチャーゲームと案内 | 物語と探索の軸を継承 |
| 場面内の探索入力 | 画面全体をカーソルで自由に移動して選ぶ | 対象を選択するプルーフターゲット方式 | 入力手順を再設計 |
| 行動の選択 | 画面内の対象を探し、調べる操作へ進む | 見る・話すなどの行動アイコンを選ぶ | 行動を視覚的に整理 |
| A.D.M.S. | 分岐をマップ状に記録する中核システム | 公式システムページでも分岐マップを案内 | 物語構造の可視化を継承 |
| 時間線の再訪 | 宝玉を使って地点を記録し、別ルートから戻る | 同じ宝玉セーブ/ロードの考え方を説明 | ルート間を往復する設計を維持 |
| 物語の進め方 | 場面探索と選択で分岐を進める | 対象選択と行動アイコンで場面を進行 | 基本形式は保ち操作を変更 |
| 画面表現 | PC-98時代の画面表示 | フルリメイクとして再構成された画面 | 表示環境を刷新 |
| キャラクター表現 | 当時のPC向け立ち絵・イベント表現 | 2017年版のキャラクターデザインとCG | ビジュアルを再制作 |
| 音楽の系譜 | PC-9800版のFM音源楽曲 | フルリメイク用に制作されたアレンジ楽曲 | 旧音源と新アレンジを区別 |
| 音声情報 | 本記事ではPC-98版の声の有無を比較根拠にしない | 公式設定ページにBGM・キャラクターボイスの音量調整がある | 確認できる設定差に限定 |
| 発売時の特典 | 1996年当時に独立したPC-98作品として発売 | 初回生産分にPC-98版を遊ぶDLCカードを案内 | 別バージョン収録を区別 |
| 初見時の手掛かり | カーソル探索そのものから反応を発見する | 選択対象や行動アイコンで操作を把握しやすい | 発見の手順が変化 |
| 攻略の考え方 | 道具と分岐の関係を自力で組み立てる | A.D.M.S.と宝玉で既知の地点へ戻る | 試行錯誤の骨格は共通 |
| 比較対象から除外した版 | 1997年セガサターン版など別機種版が存在 | 2019年Nintendo Switch版は今回の対象外 | 版の混同を避ける |
| 向いている人 | PC-98時代の画面探索と原型を知りたい人 | 2017年の再制作と対象選択式操作を求める人 | 好む操作と表示で選ぶ |
| 総合結論 | 自由カーソルと当時のPC表現が特徴 | A.D.M.S.を残し、画面操作を作り直した版 | システム継承と入力刷新の両立 |
どの版が向くか
優劣ではなく、重視する体験で選ぶ
旧版を基準にしたい人
PC-9800版の画面内を自分で探す入力と、A.D.M.S.で分岐を記録する原型を基準に読みたい人向け。
後発版の変更を見たい人
2017年版の対象選択式操作、再描画された画面、A.D.M.S.の継承をまとめて把握したい人向け。
出典・確認資料
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公開資料画像の出典
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yu-no.jp|この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 公式サイト|タイトル導入用素材
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資料画像 1|この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
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仕様・歴史の確認資料
出典資料は作品情報や仕様を確認するための参照先です。資料に記載されたURLの公開状態は変わる場合があります。
PS4/PS Vita版 製品情報|この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 公式サイト
yu-no.jp|2017年3月16日の発売日、対応機種、初回特典のPC-9800シリーズ版DLC、PC-98版FM音源とリメイク楽曲の収録を確認。
ゲームシステム|この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 公式サイト
yu-no.jp|A.D.M.S.の分岐マップ、リフレクターデバイスと宝玉、対象選択・行動アイコン、BGM・音声設定を確認。
この世の果てで恋を唄う少女YU-NOとは|公式サイト
yu-no.jp|PC版・セガサターン版・Windows版と2017年リメイクの作品系譜を照合。
『YU-NO』浅田プロデューサー開発インタビュー|インサイド
s.inside-games.jp|PC版・セガサターン版の画面全体を自由にカーソル移動する方式から、2017年リメイクでプルーフターゲットシステムへ変更した説明を確認。
本記事の比較・考察は掲載した資料をもとに編集しています。仕様は地域や配信形態、更新時期によって異なる場合があります(2026年10月5日時点)。







