Quake → Quake(2021)
『Quake(2021)』は、1996年の『Quake』を現代環境で遊べるように再提供したEnhanced Editionです。照明やモデルを更新しただけでなく、当時は別売りだったミッションパックや新規エピソード、画面分割・クロスプレイにも範囲を広げました。さらに2026年には30周年エピソードが追加されています。ここでは発売時の更新と後年の追加を分け、原作の移動・探索・戦闘のテンポがどのように残っているかを軸に見ます。
いちばん大きな差は、原作の一人称視点・高速移動・秘密を探すレベル設計を別物に作り替えることより、視覚表現と収録範囲、遊ぶ相手・機器を大きく広げたことです。2021年版は「同じ本編を見やすくしただけ」ではなく、複数の追加キャンペーンと現代的なマルチプレイを含むパッケージです。一方、原版のセーブデータはEnhanced Editionへ引き継げず、2026年の新エピソードも2021年発売時点の内容ではありません。これらを分けて判断するのが比較の要点です。
目次
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比較する版と系譜
比較する各版の位置づけを整理
1996年6月|Quake(DOS/Windows PC)
2021年8月|Quake Enhanced Edition(PC・Nintendo Switch・PlayStation 4・Xbox One。2026年8月の追加更新を含む現行内容)
この比較から見えること
項目を並べるだけでなく、変更の意味を独自に整理
中心的な更新は「作り直し」より遊ぶ入口の拡張
1996年版の核は、三次元の迷路を高速で移動し、敵を倒しながら出口や隠し通路を見つけることです。2021年版はこのキャンペーンを新しい物語へ置き換えず、画面効果、対応機種、追加キャンペーン、協力・対戦の入口を一つのパッケージにまとめました。したがって評価軸は「グラフィックが新しいか」だけでなく、同じテンポの本編へどれほど容易にアクセスできるか、追加コンテンツをどのように遊ぶかにあります。
原作にも描画方式の選択があり、後発版は効果を調整できる
原作マニュアルはDOS版、WinQuake、GLQuake、VQuakeを案内し、ゲームプレイは共通で、動作環境とグラフィック品質が異なると説明しています。2021年版は対応環境での最大4K・ワイド画面に加え、強化モデルや照明・影などの効果を個別に切替可能です。ただし出力は機種ごとに異なり、公式FAQもSwitch携帯時とドック時、PS4とPS4 Proを分けています。また「マップ更新」だけから通路や敵配置が全面再設計されたとは言えません。原作にも描画差があったこと、後発版の効果は選べること、レベル構造の変更は別の主張であることを分けて読むのが公平です。
ルーンとスリップゲートが作る原作のテンポ
マニュアルは各次元を6〜8レベルほど進み、ルーンを得てスリップゲートで戻る進行を説明しています。一本の長い一本道というより、探索のまとまりを越えるたびに次の領域へ移る設計です。隠し扉や床スイッチの手掛かりを探すため、移動の速さと立ち止まって観察する時間が交互に来ます。2021年版の画面効果はこの構造を見やすくしますが、秘密を発見する楽しさそのものは原作由来です。
同梱キャンペーンが本編以上に再プレイの幅を変える
2021年版は原作本編だけでなく、別売りだった2つのMission PackとDimension of the Past、発売に合わせたDimension of the Machineを収録しました。ここは画面更新と違って、遊べるレベル群そのものが増える変更です。ただし拡張はすべて同じ時期・同じ制作背景ではありません。初回の原作体験を求める人は本編から始め、既に遊んだ人は拡張ごとの敵・空間構成の違いを選ぶと、追加量を単なる「本編の長さ」と誤解しにくくなります。
発売時と現行内容を混ぜない
Quake(2021)は発売後も無料更新で内容が増えています。特に2026年8月には30周年更新としてDawn of the Machineが追加され、公式発表は19マップ、新サウンドトラック、デスマッチ用マップなどを挙げています。これは2021年の初回同梱物ではありません。記事では、2021年発売時に遊べた本編・拡張と、後年の更新を時系列で分けることで、当時のレビューや購入時点の情報とも食い違わないようにします。
協力プレイは同じマップの読み方を変える
協力プレイは2021年に初めて加わったものではありません。1996年版のマニュアルも、仲間と同じレベルを攻略し、誰かが出口へ入ると全員が次へ進むネットワーク協力を説明しています。2021年版の価値は、キャンペーンや拡張を最大4人で遊べることに加え、画面分割とオンラインを現行機向けにまとめた点です。同じ狭い通路や敵の挟撃でも、相談・役割分担が生まれるため、原作の協力ルールの継承と遊ぶ環境の拡張を分けて評価できます。
便利さの裏にある保存データの境界
Steam/Bethesda LauncherのFAQは、原作版のセーブデータをEnhanced Editionへ引き継げないと明記し、旧版を起動すれば従来のセーブを続けられると案内しています。描画や追加コンテンツが魅力でも、途中の進行をそのまま移せるとは限りません。未クリアの原作データがある人は、旧版を最後まで遊ぶか、新規にEnhanced Editionを始めるかを先に決めるのが実務的です。互換性の注意は小さく見えて、買い替え直後の満足度に直結します。
選択基準は当時の環境か、まとまった現行パッケージか
1996年版を選ぶ価値は、発売当時のPC用描画方式・操作環境を基準にQuakeを知ることです。2021年版は、対応環境でのワイド画面や強化照明に加え、拡張キャンペーン、現行機への対応、協力・クロスプレイを重視する人に向きます。さらに今遊ぶ場合は2026年更新のエピソードも選択肢に入ります。原作のセーブを継続したいか、追加コンテンツと遊ぶ相手の幅を優先するかを決めれば、どちらが自分に合うかが明確になります。
公開資料画像|8点
出典と画像の種類を分けて表示
仕様比較|18項目
各版の違いを項目ごとに一覧で確認
比較表では各版の仕様を並べ、プレイ体験に関わる違いを本文で解説しています。項目の前提や例外は、あわせて掲載した参照先もご確認ください。
スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。
| 比較項目 | 原作側 | 後発版側 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 版の位置付け | 1996年発売のPC向けオリジナル。DOS版やWindows向け描画版が用意された | 2021年に現行機向けEnhanced Editionとして再提供。後年の無料更新も同じ製品に追加 | 原作の再制作ではなく機能・内容を拡張した再リリース |
| 発売時期と機種 | 1996年6月のPC版(DOS/Windows環境) | 2021年8月にPC・PS4・Xbox One・Switchで発売。発売時のPS5/Xbox Series X|S版は後方互換動作 | 遊べる環境をPC中心から複数機種へ拡大 |
| 基本キャンペーン | 4つの異なる次元を進み、各エピソードのルーンを集める構成 | 原作キャンペーンを収録し、基本の進行骨格を保持 | 本編の目的と大枠を継承 |
| ステージの進行 | 各次元を複数レベルで攻略し、スリップゲートで次の領域へ進む | 本編のステージ構成を再収録。公式説明はマップの更新を挙げるが、全面的な再設計とは説明していない | 導線の核は維持し、表示・照明を更新 |
| 探索とシークレット | 隠し扉・ボタン・床スイッチなどを観察して秘密を探す | 同じ探索要素を維持し、視認性を高める描画機能を追加 | 発見のルールを変えず見え方を更新 |
| 移動と立体空間 | ジャンプや水中移動を含む三次元移動を、当時の入力環境で扱う | 一人称視点と原作の移動を基準に、現行コントローラーやモーションエイムにも対応 | 移動の軸を継承し入力手段を広げる |
| 戦闘の基本 | 武器・弾薬を拾い、移動し続けながら敵を処理する高速FPS | 原作キャンペーンの戦闘を収録し、AI対戦相手を含むマルチプレイ機能を追加 | 本編の戦闘を置き換えず対戦の選択肢を拡張 |
| 原作PC版の描画方式 | DOS・WinQuake・GLQuake・VQuakeなど、PC環境に応じた実行方式が存在 | 統一された現行向け版に、複数の強化描画機能を用意 | 原作にも描画差があり、2021年版は調整項目を一つの環境へ整理 |
| 解像度と画面比率 | 当時のPC・描画方式・設定に依存。マニュアルも描画品質差を説明 | 対応機種ではワイド画面と最大4Kに対応。機種別の解像度・フレームレートは異なる | 一律4Kではなく、対応環境ごとの表示向上 |
| ライティングとモデル | 1996年当時のモデル・照明表現を基準にした画面 | 強化モデル、動的・着色ライティング、アンチエイリアス、被写界深度、動的影などを追加 | 雰囲気を保ちながら画面効果を強化 |
| 描画効果の切替 | 実行方式を選ぶことで互換性や描画品質が変わる | 強化グラフィックの各機能を個別にオン/オフ可能 | 高画質化を強制せず、見慣れた描画へ近づけられる |
| 音楽 | オリジナル版の音楽はCD媒体など当時のPC環境に結び付いていた | Trent Reznorによる原曲をゲーム内へ収録し、ミッションパックの音楽も含める | 音楽を別媒体なしで利用しやすく再収録 |
| 発売時の追加キャンペーン | 本編とは別に販売された2つのMission Packがあった | Scourge of Armagon、Dissolution of Eternity、Dimension of the Past、Dimension of the Machineを収録 | 本編のリマスターに加え、遊べるキャンペーン量を拡大 |
| 発売後の任意アドオン | 本編の標準収録内容を中心とする | ゲーム内メニューから無料アドオンを追加可能。2021年の最初の例はQuake 64 | 後発版は配信後も選択式コンテンツを拡張 |
| 2026年の追加エピソード | 1996年版発売時には存在しない | 2026年8月の無料更新でDawn of the Machine(19マップ等)を追加 | 2021年発売時の内容と後年の追加を分けて数える必要がある |
| ローカル/オンライン対戦 | PCマニュアルはIPX/TCP/IP接続と最大16人のマルチプレイを案内 | オンライン対戦は最大8人。クロスプレイ、専用サーバーのマッチメイキング、カスタムマッチに対応 | 人数上限は小さくなった一方、接続方式と参加の手間を現行向けに再編 |
| 協力プレイ | 1996年版マニュアルにもネットワーク協力プレイが記載され、仲間と同じレベルを攻略できる | キャンペーンと拡張を最大4人で協力可能。画面分割とオンラインをサポート | 協力プレイ自体は原作にもあり、ローカル分割や現行機間の接続を追加 |
| 保存データと選び方 | 旧PC版のセーブを同じ旧版から再開できる | Steam/Bethesda Launcherでは旧版セーブをEnhanced Editionへ引き継げない。現代機能と追加収録を優先する人向け | 乗り換え時は進行データの互換性を確認 |
どの版が向くか
優劣ではなく、重視する体験で選ぶ
旧版を基準にしたい人
1996年のPC版の描画方式や操作感、発売時の本編を基準に、当時のQuakeをそのまま確かめたい人に向きます。
後発版の変更を見たい人
ワイド画面や更新された照明で遊びたい人、追加キャンペーンやローカル協力・クロスプレイを一つのパッケージで楽しみたい人に向きます。2026年追加エピソードまで含めた現行内容を遊びたい場合もこちらが対象です。
出典・確認資料
画像と記事の確認資料を個別に対応
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公開資料画像の出典
仕様・歴史の確認資料
出典資料は作品情報や仕様を確認するための参照先です。資料に記載されたURLの公開状態は変わる場合があります。
Quake Manual|id Software(Steam配布マニュアル)
cdn.cloudflare.steamstatic.com|原作PC版のマニュアル。DOS版・WinQuake・GLQuake・VQuakeはゲームプレイが同じで、対応環境とグラフィック品質が異なること、4つのエピソードとルーン/スリップゲートの進行、移動・ジャンプ・秘密の見つけ方を確認。
Quake on Steam|id Software / Bethesda Softworks
store.steampowered.com|Steamの販売元掲載ページ。オリジナル版の発売日を1996年6月22日と確認するために使用。現在の製品ページには後年更新の説明も含まれるため、2021年発売時点の収録内容の根拠には使用しない。
Quake Release Notes & FAQ|Bethesda(2021年8月)
bethesda.net|2021年8月19日公開の公式リリースノートとFAQ。追加キャンペーン、Quake 64を最初とする任意アドオン、個別に切替可能な描画機能、音源収録、4人画面分割、オンライン対戦・クロスプレイ、対応機種・解像度、PC版セーブデータの非互換を確認。
Quake returns with an enhanced re-release for modern platforms|Bethesda(2021年8月)
bethesda.net|Enhanced Editionの発売告知。対応機種、対応環境での最大4K・ワイド画面、強化モデルや動的ライティング、キャンペーン協力プレイ、最大8人のクロスプラットフォーム対戦、既存Steam/Bethesda Launcher所有者への無料更新を確認。
『Quake』30周年アニバーサリーアップデート|id Software / Bethesda(2026年8月)
slayersclub.bethesda.net|2026年8月6日公開の公式アップデート告知。2021年版発売時の収録内容とは別に、無料更新として「Dawn of the Machine」を追加したこと、新エピソードが19マップ・新サウンドトラック・デスマッチ用マップ等を含むことを確認。
Review: Quake (2021 Remaster)|Destructoid(2021年8月)
www.destructoid.com|2021年版の発売当時の独立レビュー。KEX Engineへの移行、リアルタイム照明・アンビエントオクルージョン、更新モデルを切替可能な点、追加エピソード間のレベル表現の違いを、公式仕様とは区別したプレイ所感として参照。
本記事の比較・考察は掲載した資料をもとに編集しています。仕様は地域や配信形態、更新時期によって異なる場合があります(2026年10月4日時点)。







